普通に生活していれば「小康状態」って言葉を耳にする機会って滅多にありませんよね?
僕自身も仕事をするようになってから聞くようになったこの言葉。恥ずかしながらそれまでは意味や使い方などについて全く知りませんでした^^;
注意して聞いていると、刑事ドラマや医療系ドラマなんかだと度々出てくる言葉ですが、「小康状態」ってどんな状態なのでしょうか?また、正しい使い方ってどんな使い方なのでしょうか?
僕自身も正しく使えていたのか怪しいので、もう一度整理してみようと思い筆をとりました。
今回の内容
小康状態とは?
読み方:しょうこうじょうたい
僕が「小康状態」という言葉を主に使っていた場面は計画書や報告書関連、カンファレンスや申し送りなど医療従事者間で使用することが多かったので医療用語なのかな?と思っていたんですが、医師が患者様のご家族に「小康状態です」と説明する場面もあるので一般用語でもありそうですね。
「状態が落ち着いていること」「状態が変わらないこと」など「状態は相変わらずで落ち着いていますよ」という意味だと理解して僕は使っていたのですが果たして正しい使い方だったのでしょうか?
まずは簡単な意味について色々とまとめていきましょう。
Weblio辞書の「小康状態」の意味
一旦悪くなっていたものがやや回復して落ち着いている状態のこと。「小康を保っている」などとも言われる。
症状が悪い状態を脱し何とか収まっている状態。
騒ぎが収まっている状態。
Yahoo!辞書の「小康」の意味
事態がしばらくの間、収まっていること。「国境紛争は小康を保っている」2 悪化の方向にあった病状が治まって、安定した状態になること。「病気は小康を得た」「小康状態」(デジタル大辞泉)
病勢の悪化がとまり、ややよい状態で落ち着いていること。「小康を保っている」「小康状態」(大辞林 第三版)世の中が一時的に安定していること。小寧しようねい。(大辞林 第三版)
goo国語辞典の「小康」の意味
事態がしばらくの間、収まっていること。「国境紛争は小康を保っている」
悪化の方向にあった病状が治まって、安定した状態になること。「病気は小康を得た」「小康状態」
例文
自分は彼の小康を得た時、入院前後の消息を小品にしたいと思ったことがある。<芥川竜之介「子供の病気」青空文庫>
小康を得た滝田君は三人のお嬢さんたちと見物に来ていた。<芥川竜之介「滝田哲太郎君」青空文庫>
どういう積りで運命がそんな小康を私たちに与えたのかそれは分らない。<有島武郎「小さき者へ」青空文庫>
小康状態の英語と例文(コトバンクより)
1 〔病気が少しおさまっていること〕
父の病気は小康を得ている
My father’s illness is in a state of remission./My father’s condition is stable [somewhat better].
2 〔事態がよくなりかけること〕
暴風雨はしばらく小康状態だった
There was a brief lull [letup] in the storm.
2国間の関係は今,小康状態にある
The two countries are on relaxed terms with each other for the present.
小康の語源や由来は?
なぜ「小」+「康」なのか?この言葉のルーツを調べてみたのですが、手元の資料では見つけることができませんでした。「小」はそのままの意味ですが、「康」は”無事・やすらか・体が丈夫である”という意味です。
まとめてみると
「正常に近い健康状態ではないけれど、病状が落ち着いている状態」という使い方は間違っていなそうですね。何かしらの病気や疾病を患えば元の健康状態から比べれば劣りますから、医療現場などで使われる場合は「病状が落ち着いている」「悪いけど進行していない」などの”プラス”の意味で使われているのでしょう。
ただ、言い換えると「回復はしていない」「軽快の方向には進んでいない」と”マイナス”の意味でも捉えることもできるので、結果としては「(病状や病気の具合が)良くも悪くも無い状態」という意味が正しいのかもしれません。
進行性の疾患であれば「今は状態が落ち着いているけど、いつ状態が悪化するかはわからない」、非進行性の病気であれば「状態の改善が認められていない状態」などその時の状況や背景によりニュアンスが変わる言葉ですね。言葉の受け手によっては良くも悪くも聞こえるこの言葉、日本語って難しいですね^^;
医療場面での例を述べましたが、社会情勢を表す言葉としても使われていますので置き換えて考えると意味を理解しやいのではないでしょうか?
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